◆鬼の棲処 - ゆまっこの風

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◆鬼の棲処 番外編 ~湯の香~

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◆鬼の棲処 Ⅵ ~鬼の棲処へ~

「沖田先生は?」「また大津だろ?」「ああ。神谷の墓参り?」「もうすぐ一年たつぜ。忘れてもいい頃なのにな。」「まあ、神谷の事は特別可愛がってたからな...」あの日一人で屯所に帰ってきた総司は皆の挨拶にも質問にも一言も答えずに真っ直ぐに局長室へ向かった。一緒に帰ってくるはずのセイがいないことや、総司の険しい表情に心配する隊士たちが局長室の回りに集まる。中からは話し声が聞こえるものの会話の内容までは分から...

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◆鬼の棲処 Ⅴ ~覚悟~

次の日の朝、隊服に身を包んだセイの姿を見たミツは、それ以上セイを引き留めようとはしなかった。自分で整えたのか、しっかりと月代まで拵えて重そうな刀を二本腰に差す小さな姿にセイの覚悟を見たのだろう。ただ、別れ際に「身体に気をつけて。いつでもまた遊びにいらっしゃい」と優しく抱き締められたとき、セイはそのミツの暖かさに涙が溢れそうになった。来た道を戻り試衛館へ向かう二人。昨日までの甘い空気はセイが隊服を身...

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◆鬼の棲処 Ⅳ ~故郷~

難所と呼ばれる箱根の峠も無事に越え、見えてきたのは懐かしい江戸の風景。セイの記憶にはほとんど残っていないものの、それでも行き交う人々の言葉使いや空気の匂い、風の通る道など何となく身体は覚えているようで『懐かしい』と感じる。一方総司はまだ江戸を発ってから数年あまり。久しぶりに踏む故郷の地に心が弾んでいた。「総司ー!神谷ー!」大きく手を振りながら走って来たのは先に江戸で隊士募集をしていた藤堂。息を切ら...

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◆鬼の棲処 Ⅲ ~誠の武士~

石部を出て次の宿ではきちんと『一晩一回だけ』の約束を守り順調に旅を続けていた二人。行く先々の宿場町に着くなりどこで調べたのか「ここは水飴が名物だ」とか「魚が美味しい」などとの情報を仕入れてしょっちゅう茶屋で休むので一日10里歩くと宿に着く時には日が暮れている。黙々と歩けばもう少しでも距離が伸ばせるのに、と思いつつ嬉しそうに色んな名物を買い占める総司に強く言えないセイは仕方なく付き合っている。しかし二...

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