◎短編

◆戯れ事

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※「秘め事」http://yumanokaze426.blog.fc2.com/blog-entry-189.html?sp の沖田先生サイドのお話です。




※※※※※※※※※※※※※※※※※※※※

最初は、深い意味はなかった。
ただ貴女の手が布団から出ていたから直してあげようと思って
そっと隣に寝ている貴女を起こさないようにその手を握ったら

その柔らかさと暖かさに

あの晩の事を思い出してしまったのだ。


堪らず強く握りしめたら、寝ていたと思っていた貴女が此方を振り向いた。

暗闇の中で目が合うと
少し潤んだような貴女の瞳が、堪らなく愛しくて

ぎゅっともう一度貴女の手を強く握ると、布団から抜け出した。

この熱をどう下げようか、考えながら冷たい廊下を歩いていたら
貴女が追いかけてきて

そういえば今日は近藤先生も土方さんも黒谷に泊まるって言っていたことをふ、と思い出して

貴女の手をとって、近藤先生の部屋へ向かった。



部屋に入ってすぐに神谷さんを抱き締める。
ずっと触れたかった柔らかで暖かな身体にホッとする。
少し身体を離して、何となく、少しからかうような気持ちで軽く唇を重ねた。

少しでも、神谷さんが嫌がったら「冗談ですよ」ってすぐに止めるつもりだった。
流石に屯所でこれ以上の事を、しようとは思っていなかった。
その時点では。

なのに、神谷さんは嫌がるどころか背伸びをして、ぐっと私の首に腕を回すと自ら舌を絡めてきて
少し驚いたけれど嬉しくて。
考えてみたら二人きりになることも、こうして口付けをすることも
大分久し振りだ。
一度始めてしまえばもう後には引けない。
その先の快楽を知っているのだから、もうここでお仕舞い、なんて出来るわけがない。

私は焦るように神谷さんの夜着を肩から落としていく。
柔らかな胸に巻いてある晒も下帯も、邪魔だと言わんばかりに取り去り投げ捨てた。

いつの間にか神谷さんも私の帯を解いて夜着を脱がせてくれている。
神谷さんの冷たい手が私の下帯にかかると
二人が求めている行為が同じだと分かって、余計に興奮してしまう。

誰か来るかもしれない。

その前に、と神谷さんの中に入っていくとその待ち望んだ刺激に、気持ちいい、と叫びたいくらいの快感が身体中を走っていく。
この瞬間は何度味わっても堪らない。
でも今夜は余計に気持ち良く感じるのは、何故なんだろう。
神谷さんも同じなのだろうか。

ふ、と神谷さんの顔を見れば必死に声を抑えているのか自分の掌で口を覆っている。
いつもと違って神谷さんの可愛い声が聞けないのは確かに残念だけど
そうして溢れる声を堪えている神谷さんの表情は堪らなく色っぽい。

思わず口元を押さえている手を退けて声が溢れるそこを唇で塞いだ。
そのまま神谷さんの奥を味わえば
繋がった唇から神谷さんの声が私の身体の奥に響いて、なんとも気持ちがいい。

息苦しさから唇を離すと、神谷さんが私の耳元で甘い吐息と共に小さな声で囁いた。
耳にかかる熱い吐息とその消え入るような甘い声に、ドクンと私の鼓動が高鳴って、思わず神谷さんよりも先に達してしまいそうになったけれど
なんとか我慢して彼女の果てを見届けてから極上の快楽を味わう。

整える呼吸の音も何処か何時もよりも控えめで
未だ大きく震えている神谷さんの内側を感じながら
『誰か来るかもしれない。』
『屯所でこんなことを』
という罪悪感や背徳感が、神谷さんを、いや何よりも自分を、何時もよりも興奮させる原因になっていることに
気付いてしまった。

だって、神谷さんは実際にすごく濡れていたし、何時もなら嫌がるようなこともしてくれたから。


声を密めて求め合う二人の姿は、まるで親に隠れていたずらをしている子どもの戯れ事のようで
こんな大人な遊びは堪らないな、と声を殺してクスリと笑った。




布団の中でそんなことを考えていると繋いでいる小さな手にぎゅっと力が込められた。
決めたわけではないけれど二人だけしか知らない、この合図。
私は驚いて神谷さんの方を振り返る。
今まで神谷さんから誘うことなんて一度もなかった。
きっと無意識に力が入ってしまっただけだろう。

そう思いながらも幾分先程よりもしっとりと汗ばむ神谷さんの掌の熱が、私の熱と鼓動を高めていく。

もしかしたら。


淡い期待を胸に、私はそっと繋いでいる手に力を込めてみる。
するとゆっくりと振り向いた神谷さんが、
いつもの蕩けるような瞳で私を、誘った。


私は音を立てないようにそっと神谷さんの手の甲に口付け送ると布団を抜け出す。
冷えた廊下に出ると急に目が冴えてきて、これが夢の続きではないことが思い知らされる。


長い廊下を歩いていると何時もよりも急いで神谷さんが後を追ってくる。

私は振り返りもせずに、冷たい空気とは裏腹に火照る貴女の手を強く引いて、


今夜も暗い部屋へと、消えて行くー。



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No title

総司、最初はそのつもりじゃなかったんですね!
そしてセイちゃんが結構積極的。屯所内なのは気にならないんですね。きゃ///
総司視点のせいか、セイちゃんがなんだかとっても艶っぽかったです~。
男の人ってこんな風に好きな女性を見ているのかな?
男に生まれて見たかったなあ。
それで、どんなものなのか経験してみたいです。色々と(笑)
でもでも、もしも自分が男に生まれてたら、女子をどう扱っていいかわからない総司タイプになっていた気がします。
女の扱いを知り尽くした副長タイプにはなれなそうw
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